ノビルって聞いたことあるけれど、どうやって食べるのかな?
毒のある植物と間違えたら怖いわ
どこに生えているの?
こんな疑問に答えていきます。
ノビルの取り方、食べ方、見分け方
はじめに
長くノビルを食べて楽しんできました。
手軽に野外で採れて、味もよく栄養もあるので、まだ食べたことのない方はぜひお試しください。
以前はアサツキやエシャロットを買っていましたが、一度ノビルを知ってしまうと、もうお金を出してそれらを買う気にはなれないくらい魅力のあるモノです。
味もいいのですが、採る楽しみもあり、大物を見つけて引き抜けたときの達成感は大人も子供も楽しいものです。
子供たちはもう頼みもしないのに自分で好き好んで採ってきます。
こんなノビルですが、有毒の植物で似ているものもあります。
間違えて食べては大変なので、まずはしっかり違いを理解します。
そのうえで食べ方を知って期待を膨らまして、どこに生えているのかを把握しましょう。
抜き方を覚えて、最後に栄養価も把握して食べれば、体も気持ちも満たされます。
それではまずはノビルの見分け方から見ていきましょう。
ノビルの見分け方
ニオイと形、この2つの違いが分かればまず問題はないでしょう。
小学生低学年と幼稚園の子供と昨年一緒に抜いたら、今年はもう間違わずに抜いています。
ただ20年食べていて違いが分かっていても「あれっ?」と思うくらい似ているなと感じるのがたまにあります。
注意してくださいね。
ニオイ
葉っぱを切るとニラとねぎを足して2で割ったような香りがします。
形
・鱗茎(りんけい)という球根に当たる部分は白く球状
エシャロットの鱗茎は厚みのあるしゃもじのようになっていますが、ノビルは白く球状です。
・茎から葉にかけてシマシマがあり
シマは少し赤っぽいです。
とっても重要なことなのですが、中には有毒の植物があるので、慣れるまでは買うなり、知っている人に譲ってもらい庭や、プランターに植えて姿かたちとニオイ、形、発芽から開花、ムカゴができる一年の移り変わりを見てください。
そうすれば判断できるようになってきます。
たまに八百屋や、郊外の露天で売っていることがあります。
ただスーパーでの販売は残念ながら見たことがありません。
初めてなら、まずはこれをお手本に覚えれば間違えずに安心ですね。
ノビルと間違いやすい植物
慣れれば問題ないのですが、有毒の植物と間違える可能性があるので、要注意です。
怪しいと思ったら花が咲くまで待っているのが確実です。
なお写真のノビルの花、中央にあるのはムカゴで、これが落ちて増えていきます。
花が咲き始めるのが5月くらいからで、写真は6,7月くらいでしょうか。
タマスダレ
間違えるとすれば、有毒のタマスダレ。
花が咲けば全く違うので問題ないのですが、葉は形が似ています。
タマスダレの葉はノビルより青々しく、かつ光沢があり、硬そうな印象を受けます。
引き抜くと鱗茎(りんけい)が玉ねぎ色になっています。
あと似たもので何か忘れましたが、紫色のものもありました。
一方のノビルは白い球です。
ただ日に当てておくと紫になっていきますが、引き抜いた時に紫になっていることはありません。
ハタケニラ
生息地が同じで、ごく近くに生えています。
花の咲く茎が丈や色とサイズがよく似ています。
しかし地面近くの葉がハタケニラにはありますが、ノビルは茎だけの単独です。
なので根元を見るのが見分けるポイントです。
また花のつぼみや花の形の違いは一目瞭然です。
有毒とも食べられるとの情報もありません。
これによく似た名前の「ハナニラ」は別物で、 同じように茎が一本葉の中心からノビル形で、花びらはタマスダレを太くしたようです。
スイセン
スイセンとの違いを問題とする人もいますが、葉っぱの平たいニラとは間違えるかもしれませんが、細く丸い葉っぱのノビルと間違えることはないです。
また花も全く違います。
全体として有毒で、特に鱗茎の致死量は10gとされています。
産経ニュースより
エシャロット
全体的によく似ています。
根元はノビルより赤っぽく、抜いた時の鱗茎はスプーン状なのも違う点です。
味はよく似ています。
茎は少し甘い気がしますが、品種の違いがあるかもしれません。
野生のエシャロットは見たことがないので、間違えることはないはずですし、間違えたとしても食べられるので問題ありませんね。
食べ方
下処理
これが一番面倒です。
特に細いのは手間のわりに食べるところが少ないので、悲しくなります。
おいしさを心待ちにして頑張りましょう。
1.葉のヨレヨレしているところや、黄色く斑点のできているところは切り捨てます。
2.水洗いします。ボールや桶などでザバザバと。
3.少しの流水で鱗茎(りんけい)の薄皮を茎の少し上や、葉を割くようにして取って、鱗茎が白くなるまで薄皮を取ります。
4.鱗茎のひげを親指と人差し指の爪先で挟み込むように取ります。
硬ければ挟み込みながら回し切りましょう。
味噌
下処理ができたらまずはこれを試しましょう。
味噌をつけて食べるだけです。
もちろん生です。
簡単で酒のつまみに最高です。
玄関の付近に植えておけば、酒のつまみに事欠きません。
味噌和え
ノビルの葉と一緒に荒く刻みます。
大きいノビルの鱗茎(りんけい)は割っておくと辛みが抑えられます。
味噌、粉末ダシ、みりん、ゴマ油、砂糖を合えて1,2日寝かすとそれはステキなご飯がすすむくんになります。
ごはん、冷やっこ、焼きおにぎりなどなんでも合います。
葉だけを刈り取って味噌とみりんと砂糖に花山椒のファージャオラージャンを加えたら、
うーん。
たまりません。
ノビルを堪能したらアシタバの胡麻和えと素揚げがおいしい。
一度植えればあとは手間なし、食べてくれよとドンドコ葉が出てきます。
その他もろもろ
餃子や冷やっこ、ぬたなどネギやニラと同じ要領で使って問題ありません。
生息地
河川敷や道路端、空き地によく生えています。
踏み固められている硬い土は意外と抜きやすく、また腐葉土も抜きやすくて良いですね。
雑草がみっちりと生えているところは抜きづらいです。
また除草剤が撒かれているかもしれない場所は、なるべくならやめておきましょう。
通勤通学の経路で一年を通して草の生えている様子を見れるところなら安心ですね。
一度ノビルスポットを見つけてしまえば毎年楽しめます。
人があまり入らなそうなところは大物が取れます。
中には茎が1.5cmくらいで、鱗茎(りんけい)がピンポン玉くらいのが取れたこともありましたが、気持ち悪いので結局食べなかったことがあります。
葉玉ねぎくらいの大きさがあったのを覚えています。
抜き方
味もおいしいのですが、抜く楽しみもあるのがノビルの良いところ。
勝手に育って収穫だけできる。
しかも無料。
なんてお手軽な野菜なのでしょうか。
一本ずつ抜く
一本ずつ確認しながら抜くと、違うのを一緒に引き抜く恐れがありません。
なので太いノビルに狙いを定めて抜くのがおすすめです。
抜きにくい時は、なるべく根元近くを前後左右に振ってから、じわじわとゆっくり引き抜くと失敗が少ないですね。
中には細いのに抜くとすごいんです、みたいなのもいますが、なるべく太いもののほうが鱗茎(球根)が大きく、辛みもあり食べ応えがあります。
狙い目は茎が8mmくらいのモノがあれば最高です。
まとめて抜く
密集している場合は、まとめてゴソッと抜くと抜きやすいです。
ただ注意してほいのは、葉も食べるの時にゴソッと抜いて鱗茎(球根)が切れた葉は、鱗茎の特徴がないので、ノビルではないものを間違って食べてしまう危険があります。
一緒に採れる細いのは手間ばかりかかるので逃がしてやりましょう。
「大きくなれよ」
スコップを使う
一度スコップを入れて土を起こすと簡単確実に抜けます。
抜きそこなって根元から折れてしまうと、ノビルにもせっかく大きくなったのに申し訳ない気がするので、人目を気にしなければこちらが正解です。
ノビルの根本の直ぐ近くにスコップを入れると鱗茎(りんけい)を痛めてしまって、食べるところが少なくなってしまうことがあります。
少し離れているかな、程度がよいですね。
雑草の密集地でスコップを使うのなら、先細りのもので、周りをぐるっと円を描くように根を切りながら、周りの土ごと起こすようにしてから引き抜くと、鱗茎を傷めずにとることができます。
周りの雑草の根を切りながら進められるので、ギザ刃が横についていると使いやすいです。
使っていると緩んでくることがありますが、その時は柄の頭を地面にたたきつけると、金属のすくう部分が柄の中に入っていきます。
そのあと水につけるとより締まっていきます。
植え付け
抜いてきたのを植え付けできないことはないのですが、すぐには大きくならないので、一時保存的な程度にするのがよいでしょう。
近くに植えておけば見つけに行く手間が省けます。
そんな考えの方にはこちらがおすすめ。
植えておくだけでほぼ枯れない野菜たちを紹介です。
旬
桜の咲く頃が良いです。
鱗茎(りんけい)もふっくらとして大きくなっています。
お花見の帰りにノビルを摘みましょう。
これ以降はだんだんと虫が出てくるようになり、葉に小さい虫がたかってくるので、葉を使いたい場合はなるべく春先までに採るようにします。
お散歩がてら摘みに出かけましょう。
花が咲いてムカゴが出てきてくると、葉はもう竹ひごみたいに硬いので、食べれたものではないです。
この頃になるとだんだんと辛くなってくる気がします。
その後夏過ぎに枯れて、秋の終わりごろにまた出てきます。
葉の出てきた頃はまだ昨年に蓄えた養分を使って芽を出すので、鱗茎が細くしぼんでいます。
春まで待ちましょう。
栄養
ガンや糖尿病、高血圧に効くとされています。
ネギやニラとニンニクの仲間と聞くだけで栄養がありそうな気がします。
そして辛みの成分がさらに良さそうです。
調べてみましょう。
ノビルは,ニラ,タマネギやニンニク等,他のネギ類野菜と比較してもフェルラ酸配糖体類の含量が高いことから,新しい健康野菜として注目される特徴成分を含んでいるといえる。
農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター
この「 フェルラ酸配糖体 」聞きなれないです。
よく読んでいくとフェルラ酸配糖体とフラボノイドのフェノール成分が多いとの記述があります。
これで分かりました。
「フラボノイド」ですね。
これはプラスイメージでよく聞きますが、イマイチ何がいいのか分からないので、これまた調べてみます。
フラボノイドは、様々な生物活性を示すことが知られているが、特に抗酸化活性をもつものが多く、生活習慣病の予防物質として注目されている。
公益社団法人日本薬学会
生活習慣病もよく聞きますが、これも具体的にピンときません。
以前は「成人病」と呼ばれていましたが、成人であっても生活習慣の改善により予防可能で、成人でなくても発症可能性があることから、1996年に当時の厚生省が「生活習慣病」と改称することを提唱しました。
厚生労働省e-ヘルスネット
日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、更に脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などはいずれも生活習慣病であるとされています。
初めてなら、まずはこれをお手本に覚えれば間違えずに安心。
これで新しい食の世界がまた一つ広がります。
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