DIYや住まいのメンテナンスなどで、ネジを締めるのに手回しドライバーだと手がつかれて大変ですよね。
自分なんか5本も締めればもうトトホです。
そんな時こそ、電動ドライバーが欲しくなりますよね。
穴あけもできそうだし。
ほしいー
そしてインパクトドライバーを買おうと思っていませんか?
バリバリと音がするのがプロっぽくてとか。
いけません。
電動ドライバーを初めて買う人はドライバドリルです。
そうなの?
なぜダメなのか、理由をキチンと説明していきます。
この記事を読むことで、もう電動ドライバーで迷うことはありません。
電動ドライバーは初めてで、インパクトドライバーが欲しいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
こちらの記事はKohata harukiが執筆します。
10年の注文造作家具内装の工場/現場での職人経験。
下は1000円クラスから上は数万円クラスまでいろいろと使ってきました。
道具選びは仕事の出来具合につながるのと、費用も自分持ちなので真剣です。
また仕事を変えて今度は普段使わない人に電動ドライバーの使い方を教える立場になりました。
つまりプロではない人の使い方も分かり、プロと初心者、2つの見方で紹介ができます。
電動ドライバー関連の情報の間違いにご注意を!
検索して出てくるのは電動ドライバーを使ったことのない人の記事がほとんどです。
中にはアドバイザーを立てている記事でさえ間違っています。
情報を発信する同じ立場から批判するのは心苦しいのですが、読む側の人にとっては良くないので声を上げます。
初心者おすすめ電動ドライバーはドライバドリル
はじめに
この記事で分かること
理由はいいので、おすすめの機種を早く知りたい方は、次の記事へ。
気になるインパクトドライバーがダメで、ドリルドライバーがよい。
比較しないと違いが説明できません。
なのでまずはこの2つの違いを見ていきます。
まず電動ドライバーにはどんな種類があるの?
電動ドライバーは大きく分けて
「ドライバドリル」と
「インパクトドライバー」に分かれます。
この2つの違いをざっくり説明すると
「ドライバドリル」
おすすめ
・ネジ締めと穴あけができる
・速さと力の調整ができる
・ドライバーやドリル刃先をくわえる「口の大きさ」が自由に変わる
・作業音が静か
※「スクリュードライバー」もこちらに入りますが、お勧めはしません。
「インパクトドライバー」
・ネジ締め用(穴も開かなくはないです)
・回転が速い(遅くもできるが力が出ない)
せっかくなので似たものの違いを紹介。
「ドリル」
・基本的に穴あけ用で、たくさん穴を連続して開けたいとき
・コード式
・基本的に回転が速いのと、スイッチから指を放してもすぐに止まらないので、ネジを締めることはできません
・研磨にも使えます
・たくさんの種類があり
さらに似た言葉を整理すると
「充電ドライバー」と「コード式ドライバー」の違い
「充電ドライバー」
充電池で動く電動ドライバーです。
つまり充電インパクトドライバー、充電ドライバドリルのことです。
初めに紹介したものですね。
そして反対なのは充電でない、
「コード式のドライバー」です。
ほとんどありませんが、コード式インパクトドライバーがあります。
これは工場でひたすらビス打ちをする人が使うものです。
コード式のドライバドリルは格安の素人向けしかありません。
どちらにしても初心者向けではなく「選考外」です。
「スクリュードライバー」
ドライバドリルの「小型版」です。
この名前で紹介しているサイトが多いのですが、お勧めしません。
なぜかというと目的が違います。
使う場面は、床や作業台の上ではなく、「机の上」での軽作業のイメージで、小さい家具の組み立てや、ごく細い穴を開ける程度です。
バッテリーも少なく、力も弱いです。
なので何をするかによるので、一方的に悪いわけではないのですが、
DIY初心者で、これからいろいろなことをする可能性ある方には向きません。
私も持っていたことがあります。
その次を買うの前提であれば、ちょっとした軽作業には確かにいいでしょう。
また「スクリュードライバー」の名前では一般的にまだ知名度がありません。
誰もこの名前で呼んでいるのを聞いたことがないのですが、なぜかネットにはこの名前で紹介されています。
さて電動ドライバーとその仲間たちの違いが分かったところで、今度はドリルドライバの利点をインパクトドライバーと比較しながら説明します。
使用経験のある人はインパクトドライバーを初心者に勧めたりしません。
その理由を説明していきます。
始めに買うべきはドライバドリルとその理由
ドライバドリルをすすめるにはキチンとした5つ理由があります。
これも経験から言えることです。
それでは具体的に見ていきましょう。
まずは回転数の問題からです。
インパクトドライバーがダメで、ドライバドリルが良い理由
理由1.ドライバドリルは回転速度が変えられるので使いやすい
ドライバドリルは回転速度が、2段階に変えられます。
逆を言うとインパクトドライバーは回転速度が変えづらいです。
これでどんな問題があるのか。
それではなぜこうなるのか見ていきましょう。
まずねじを締める時はネジ軸とドライバ先の軸中心を合わして、一直線にして使います。
これはドライバドリルもインパクトドライバーも同じです。
これが使い始めの人は間違いなくできません。
ドライバ先とビス(ネジ)で角度がついて「へ」の字になり、このことでネジ頭の十字溝とドライバの先(ビット)のはまりが浅くなります。
そしてインパクトドライバーはドライバドリルに比べて回転がより速いので、その分遠心力が働きます。
このへの字と、インパクトドライバーの速い回転の2つの理由で、ビスの頭からドライバ先が外れます。
これを「カムアウト」といいます。
カムアウトするとどうなるか?
ビスから外れて材料にドライバ先(ビットといいます)が当たると十字の傷ができます。
余談ですが職人時代の先輩はこれを「十字チョップ」と言っていました。
うまく言ったものだとよく覚えています。
これを仕事ですると悲しいですが作り直しです。
時としてビスから外れて指にもあたります。
これはどうなるかというと血豆ができます。
治るまで2週間は指痛いですね。
またビス(ネジ)軸とドライバ先の軸中心が一直線なのに、ビス先が摩耗してくると遠心力だけの問題でカムアウトするケースもあります。
ビス軸とビスが一直線なので、ビットが上にカムアウトしても、またビットがビスの頭に戻ります。
本人はビスを締めようとしてスイッチをずっと押しているのですが、カムアウトのガタガタ音がむなしく響くだけで、当人はなぜビスが締まらないのか分からないで回し続けるということが起きます。
これも使い慣れていない人は100%します。
断言します。
このことでドライバーのビットとビスの頭の溝が両方ともに削れていきます。
そしてさらにビットとビスの頭のかみ合わせが緩くなり、さらにカムアウトしてお互いが削れていく。
まさに負のスパイラルです。
最悪
これも回転が速いインパクトドライバーの弊害です。
インパクトドライバーに対してドライバドリルだと、基本的に回転がインパクトドライバーに比べてゆっくりです。
なので遠心力が抑えられて、カムアウトが起きにくくなります。
よってドライバドリルはいいけれど、
インパクトドライバーがダメな理由は
回転数が高いとドライバ先とネジ先をキチンとはめるのが難しく、これで起こる問題が分かりました。
それではもう一つ、回転数が高いと起きる問題を見てましょう。
何かと言いうと回転が速いとネジ締めのカムアウト以外にも、インパクトドライバーは穴あけで弊害があります。
これは理由は分からないのですが、経験上刃の回転が速いと、特に木材は木の繊維がめくれやすくなり、開けた穴の周りが汚くなります。
カンナがけも同様で、特に繊維がめくれやすい所(逆目といいます)はゆっくり引くと、めくれにくいので、これに近い現象でしょう。
その点ドライバドリルは2段のギヤがあり、特に初心者は回転の遅いギヤで使用するのがお勧めです。
これはインパクトドライバーにはありません。
ひっとするとこういう声も聞こえてきそうです。
「最近のインパクトドライバーは速度調整モード付があるぞと」
ありますね。
ただし6,7万円もするプロ用は。
なので今回の記事の読み手の対象としてお勧めはできません。
もちろんお財布に余裕のある方はいいかもしれません。
よってドライバドリルはいいけれど、
インパクトドライバーがダメな理由は
インパクトドライバーがダメで、ドライバドリルが良い 理由
理由2.ドライバドリルは大きな穴をあけられる
ドライバドリルは大きな穴があけられます。
一方でインパクトドライバーでは大きい穴があきません。
総合的な力にもよりますが、インパクトドライバーは負荷がかかると衝撃(インパクト)が回転方向にかかり、回転力が断続的になるので穴あけがしづらくなります。
特に金属の場合は刃で材料を削るよりも、刃が材料に食い込んで回転が止まってしまうことがよくあります。
こうなると逆回転をさせて刃を戻し、今度は勢いをつけてさらっとすくい取るように当てて開けたりするのですが、一度食い込むと穴は汚くなるし、ゆがみや、亀裂が広がったりもするのでおすすめしません。
インパクトドライバーで求める穴の大きさは、せいぜいビスのばか穴くらいが無難です。
(ばか穴とはモノとモノをビスでとめるときに開ける穴で、ビスがゆるゆるに通る直径の穴をいいます)
実際には4、5mmくらいですね。
それ以上の大きさはドライバドリルに任せましょう。
よってドライバドリルはいいけれど、
インパクトドライバーがダメな理由は
インパクトドライバーがダメで、ドライバドリルが良い理由
理由3.ドライバドリルは作業音が静か
ドライバドリルの作業音はモーターの回転音だけなのでうるさくありません。
一方のインパクトドライバーは回転方向に金属で「たたいて」衝撃を与えるので、大きな音がします。
よく聞く「バリバリバリバリ」という音です。
特にマンションでは工事するのにうるさいと苦情になりますし、音が出る作業は管理事務所に事前に工事許可がいるくらいです。
もちろん戸建てでも、近所に打撃音が響き渡るので、早朝や夜は作業できないのは確実です。
居住済み現場によってはインパクトドライバーの持ち込み禁止をしている場合もあるくらいです。
それに対してドライバドリルは衝撃音がしないので心配いりません。
夜の作業でも全くと言って問題がありません。
またインパクトドライバーの仲間で、油圧で衝撃をかけることで作業音を小さくする「ソフトインパクト」というものもあり、これはマンションの作業でも問題ありません。
ただソフトな分、力は弱いです。
騒音で耳が痛い先輩がこれを使っていました。
よってドライバドリルはいいけれど、
インパクトドライバーがダメな理由は
インパクトドライバーがダメで、ドライバドリルが良い理由
理由4.ドライバドリルは力のコントロールがしやすい
ドライバドリルは力の調節機能があります。
反対にインパクトドライバーにはありません。
※先ほど同様に最新の高額なインパクトドライバーにはあります。
DIY好きな人は木工以外にも使うものです。
小さいプラスチックへのビス締めとか。
ラジコンや家電のケースを開けたり。
意外かもしれませんが、プラスチックではなくても、金属製のビスでも細いと頭と軸が折れることがあります。
ほとんどのドライバドリルは強弱2段階のギヤと数段階のクラッチがついていて、力の調整が細かくできるので、小さなビス締めも安心です。
よってドライバドリルはいいけれど、
インパクトドライバーがダメな理由は
インパクトドライバーがダメで、ドライバドリルが良い理由
理由5.ドライバドリルは いろいろな太さの刃先とドライバ先をくわえられる
インパクトドライバーは、ドライバー先などがついた六角軸をワンタッチでくわえる方式のみです。
一方のドライバドリルは六角軸の先も、円柱(ストレート)の刃先も、三つ爪の開き具合が自由に変わるので、ドライバドリルは異なる太さを柔軟にくわえられます。
ドライバドリルは加える先が3つ爪で、徐々に広がる構造なので、1mm以下のごく細いものから最大10mmもしくは13mmまで自由にくわえ口が広がります。
繰り返しますがインパクトドライバーは六角軸でない先をくわえられません。
最近は六角軸が増えてきてはいますし、六角軸の刃先で100円で売っていたりはしますが、ほしい刃先が必ず六角軸になっているとは限りません。
また六角軸で自由に太さを変えてくわえられるアタッチメントもありますが、その分長さが長くなり、芯ブレするデメリットがあります。
よってドライバドリルはいいけれど、
インパクトドライバーがダメな理由は
ドライバドリルでも六角軸専用のワンタッチ式のものがあるので購入の際は注意です。
またドライバドリルも最大のくわえ直径が10mmと13mmがあるので、作業の幅の広い13mmを選びましょう。
それでもインパクトドライバーが欲しい方へ
もちろん明確なインパクトドライバーの使用目的があれば、無理に買うなとはいえませんが、これを読んでくれている人はそうでない人のはずです。
インパクトドライバーを使ってみたいのならレンタルで借りる
だいたいのホームセンターでは無料/有料で貸出しています。
できればインパクトドライバーとドライバドリルを2つ借りて使い心地を比較してみてください。
長いビスだとドライバドリルが力不足かも
ビスを打つ(ねじ込む)前に、ビスの道筋に細いドリルで穴を開けておくことを下穴を開けるといいますが、これをすることで力不足を解消できます。
それにこれから電動ドライバーを買おうという人は、すぐにインパクトドライバーが活躍しそうなウッドデッキなんか作らないし、家を建てるような造作に必要な長いビスは使わないですよね。
そんなことを始めるころ、その頃にあらためてインパクトドライバーを買いましょう。
ドライバドリルまずは使って、その後にインパクトドライバーを買う
2台あると作業性がぐっと上がるので便利ですよ。
職人はドライバドリルで穴をあけて、インパクトドライバーでネジ固定をして2台を使い分けたりしています。
インパクトドライバーが欲しくなるころにはカムアウトはしなくなっていることでしょう。
費用対効果の高く、買って失敗しない、初心者のお勧めドライバドリルは?
以上の今まで説明してきた理由と経験を踏まえて提案するのは、
マキタ 電動式ドライバドリル 14.4V 1.5Ah DF370DSH
バッテリーx1、充電器、ケース付き
いくつもの電動ドライバーの候補をあげているサイトが多々ありますが、これでは初心者はどれを選んでよいのか困ってしまいます。
道具は人によって好みが分かれるものではありません。
道具は用途や使用経験によって決まるはずです。
つまり「これから様々な使用経験をする用途を想定した初心者」ということで機種が決まるのです。
厳しい言い方ですが、いくつもおすすめ候補をあげているのは、使用経験のなさが機種を決めきれないのだと判断します。
中にはゴミみたいな使えない電動ドライバーをあげている例もあります。
検索結果の上位を占める、間違いだらけの初心者向け電動ドライバー紹介サイトが多いので、これでは初心者は正しい判断ができません。
素人記事に騙されない前に一度ご覧ください。
他サイトでお勧めして、私がお勧めしない「スクリュードライバー」の理由も書いてあります。
まとめ
インパクトドライバーとドライバドリルの違いを理解して、なぜドライバドリルが初心者向けなのかを、しっかりと理解されたはずです。
くどいようですが、とても重要なので繰り返します。
初めて買って失敗しない電動ドライバーは「ドライバドリル」です。
電車で現場に行くときには手荷物が限られているのと、重い電動ドライバーを両方持っていくのは大変なので、ドライバドリルを持っていきました。
次の記事ではなぜマキタの電動ドライバーで、この機種がいいのか、納得のいく理由をキチンと説明していきます。
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