ブルーベリーの実がつかない
葉が黄色くなっているので、
このままでは枯れてしまいそう
安く簡単な育て方はないのかな?
こんな悩みを解消していきます。
ピートモスは高いですよね。
さらに「ブルーベリー専用土」なんてもっと高い。
こんなのを買うのなら冷凍ブルーベリーを買ったほうがはるかに安い。
なんて実を取るだけで育ているわけではないのですが、他の植物と比べてあまりにもお金がかかるのも気になりますよね。
そこで
ブルーベリーの土と肥料をお安くする3つのモノ
高いピートモスは使いません!
1.硫黄
あまり知られていない安い「硫黄」で土を酸性にします。
2.鶏糞
3.牛糞
肥料として必要とされるアンモニア態窒素を「鶏糞」と「牛糞」で発生させます。
できれば初めだけ仕込んで後はほっぽらかしできるのが理想ですね。
独りよがりではなく、商品販売の情報に埋もれて見えない確かな筋の情報を拾い出して実践していきます。
ピートモス神話に騙されないブルーベリーの育て方
勢いのない実の付かないブルーベリーの現状
手に入れて2,3年は実がついていたのだけれど、最近はめっきり。
それどころか葉も黄色くなって元気がない。
クロロシスという状態です。
問題は土ですね。
分かっています。
ブルーベリーの土を酸性にするのに買ったピートモスが足りなかったので、住宅の造成土を半分混ぜた鉢ですから、それは当然です。
ごめんなさい、ブルーベリーさん。
これではすねて実も付けません。
さて調べると育て方は色々出てきますが、家庭でも育てられるくらい簡単というので、やはり大事な土づくりに注目します。
そして調べて分かったポイントは2つ
土の酸性と植付け時の肥料
初めにこれさえしっかりと抑えれば、あとは何とかなりそうです。
ブルーベリーは酸性土
弱った植物に肥料はかえってよくないというので、まずは酸性土にするところから始めます。
ブルーベリーは酸性土で育ちますね。
これは間違いありません。
ただ何を使って酸性の土にするのかです。
ピートモスの代わりに硫黄を使う
さてブルーベリーの土を酸性にするにピートモスは鉄則のように言われています。
自分もはじめ何袋か買いましたが、高いのでやめました。
その代わりに安い硫黄を使います。
これは日本ブルーベリー協会がおすすめの方法で、私が勝手に言い出したことではないのでご安心ください。
またこちらのブルーベリー農園でもピートモスの代わりに人工培地のポット栽培をしています。
これで「ブルーベリーの酸性土は硫黄」に説得力がでてきました。
ところで何で硫黄で酸性になるのかというと、土の中の微生物が硫黄を食べて酸性物質にするそうです。
なので3カ月くらいかかるとのこと。
実際の使用量などはこちらを参考にしました。
この方によると高いの安いのよりもピートモスは汚泥化して根が窒息するとあります。
確かに植え替えの時に掘り返してみるとみっちりと根の周りがピートモスで塊になっていて、自分もこれで大丈夫なのかと感じていたので納得できました。
土の酸性度を知る
酸性土にするにも、まずは今の土の酸性度を知らなくてはいけません。
酸性土の単位pHで測れる試験紙を使います。
学生の時のリトマス試験紙以来ですね。
ワクワクします。
酸性度の調べ方はこちらを参考にしました。
ただビーカーなんて一般家庭にありませんから、よく洗ったペットボトルで代用です。
そのままカッターで切ってもいいのですが、わりあいと固いのでカッターの刃が飛んだりしたら危ない。
そこで包丁で切ります。
包丁の根元の角から切り込むとやりやすいですね。
ペットボトルが切れたら今度は土を入れて、水を入れて、割りばしでかき回します。
20gの土に、
50gの水を入れて、
3分かき混ぜます。
そしてpH試験紙に、どこのサンプルなのかの場所を書いておきます。
今回の場所は三カ所
・(造成)ただの敷地の造成土
・(悪)今回調子のよくないピートモスが少ししか入っていないブルーベリーの鉢
・(良)ピートモスをほぼ100%使ったブルーベリーの鉢
それぞれ上から下に向かって酸性度が高くなるはずです。
5分放置したら、
泥水の上澄みに試験紙を浸して、
すぐに上げてケースの色見本と照らし合わせます。
ワクワク。
まずは家の敷地の造成土。
造成土とは家を買ったときのそのままの土。
深く掘ると金属ゴミとか出てくるどーしょーもない土です。
家にあったピートモスが足りなくて、半分くらいしか入っていない土です。
今回問題のある土で、酸性度は6。
ブルーベリーに適した酸性度は4.5前後くらいなので、合っているとは言えません。
ピートモスを100%使った育ちの良い土。
やはり酸性度は高くてpH5ですね。
ただもう少し低くてもいいかもしれません。
試験紙は必要な分だけ切って使えてオトクなこちらにしました。
悪い土はやっぱり酸性度が低かったのが問題のようです。
今度は実際に酸性にしてきましょう。
硫黄で酸性土にする
買ってきた硫黄の粉末を土に混ぜていきます。
混ぜる量によって酸性度が上がってきます。
参考にしたのは先ほどのサイト。
必要な部分を内容が変わらない程度に、見やすくして引用させていただきます。
ブルーベリーの適性域はpH4.5前後。
ベリー公のブルーベリー栽培-用土編より
現状がpH6.5なら2下げる。
pH5.5なら1下げる。
pHを1下げるのに、土10Lに硫黄10g
pHを2下げるのに、土10Lに硫黄20g
鉢植の場合は鉢の容量で計算。
6号鉢で約2.5L
8号鉢で約6L
10号鉢で約13Lの土が入る。
ただ粉なので、混ざりにくい。
水を入れて混ぜても混ざりにくい。
よくとれば、だんだんと分解されていくので、手間が省けていいのかもしれないですね。
なのでよく混ぜたつもりでもダマになっていて、ときどきダマが崩れてきれいな硫黄の色が出てきます。
結局うまく混ざらないので、2倍の量を入れ込んでみました。
ちなみに土の構成は腐葉土と、落ちたての落ち葉。
いろいろな情報があって悩むところでしたが、硫黄を分解する微生物が腐葉土に多そうなのと、水はけと根の食いつきがよさそうなためです。
やることをやったので、後は時がたつのを待ちましょう。
微生物が硫黄を食べて、酸性にするのに3カ月かかるそうです。
そして3カ月後。
クロロシスの葉はよくなってはおらず、なぜか食われています。
ただ新しい葉は青く生き生きと出てきていますね。
情報は追えませんでしたが、一度なると元には戻らないのかもしれません。
期待を込めて酸性度を計ってみると6から4になっていました。
硫黄をちゃんと微生物が食べてくれたのですね。
今回使用したものはこちら。
ピートモスに比べて、硫黄のメリットを整理します。
▶硫黄メリット1.安い!
例えば先の10号鉢で13Lのどうでもいい造成土でpH7をpH4にするには、
土10LのpHを1下げるのに硫黄10gが必要とあるので、
39gの硫黄が必要。
これが私の使っている1kgの硫黄なら25回分で1600円(送料込み)。
なので硫黄は一回当たり64円。
対してのピートモスなら同じpH7なら8割を混ぜれば約pH4になります。
13Lに8割混ぜるのに必要なのは10L、大量で安い160Lを使っても16回分で4200円(送料込み)。
ピートモスは一回あたりは263円。
この差は約4倍ピートモスのほうが高い
▶硫黄メリット2.かさばらない!
先の例だと
硫黄は見た目で約1L。
ピートモスは200Lを圧縮してあっても84Lですから。
だったらもっと小さい袋を買うって人は、20Lで安くて1400円(送料込み)なので、一回分の16L換算だと1120円で、硫黄の約18倍高くなりますから。
▶硫黄メリット3.残りを気にして何回も買う手間が省ける!
かさばらないので、25回分(1kg)を1回の買い物ですみます。
もちろん2kg買ってしまえば、50回分なので当分残りを気にしなくてすみます。
土の酸性度が上がって、葉の色がよくなりました。
なので今度はいよいよ肥料をあげることにします。
ブルーベリーの肥料
ブルーベリーの肥料は2つ
・アンモニア態窒素
・3大要素(窒素、リン酸、カリ)
ブルーベリーの情報は多くて惑わされますが、こちらがより実践的で分かりやすいです。
「山口県農林総合技術センターがまとめたブルーベリーの低コストな育て方」
さらにP.7(2)施肥より引用します。
・ブルーベリーはアンモニア態窒素の施用で生育が優れるため、肥料はアンモニア態窒素主体のものを用いる。
山口県農林総合技術センター
・りん酸と加里の施用量は窒素と同程度でよい。
実際に多くの農家向けに県が提供している方法なので、説得力があります。
窒素リン酸カリの3大要素は鶏糞でOK
※本当はアンモニア態窒素のほうが重要なのですが、説明を分かりやすくするのに先にこちらを説明します。
3大要素の窒素、リン酸、カリを取る方法はいろいろとありますが、一番簡単でかつ安いのは鶏糞。
細かい鶏糞の成分はこちらの「表4 家畜糞尿と処理物の肥料成分含有率」が分かりやすいです。
さらに鶏糞を使う理由は、実はアンモニア態窒素を作るためでもあり、また肥料メーカーの販売するブルーベリー土に含まれるマグネシウムも含まれているので、ちょっと臭いのを除けば安いし文句なしですね。
さらに細かいこちらの鶏糞の資料では、鉄やマンガンなども含まれるとあります。
ちょっと気になるのが鶏糞を使うとアルカリ性に傾いていくといいます。
しかし硫黄で酸性にするのでこれも問題ありません。
アンモニア態窒素は鶏糞と牛糞でOK
言葉が聞き慣れないので難しく感じますが、アンモニア態窒素とはカンタンに言うと窒素の仲間です。
そしてアンモニア態窒素は硫酸アンモニウム(略して硫安)に2割含まれた状態で売っています。
そしてここが大事なポイント
アンモニア態窒素は、鶏糞と牛糞を合わせるとできるので、硫酸アンモニウムを買う必要がない。
そうなのです。
ブルーベリーの肥料で必要な2つのうちの1つ、3大栄養素は鶏糞でとれるのでした。
そして今度は2つ目のアンモニア態窒素は、先に必要だった鶏糞と、これまた一般的で安い牛糞でできるのです。
それでは詳しくは次に確認していきます。
実際に牛糞と鶏糞でアンモニア態窒素を発生させる方法
ブルーベリーの肥料として、アンモニア態窒素が特に必要なのが分かりました。
そして牛糞と鶏糞で出てくるのですが、混ぜる割合が大切なのです。
これは農業総合研究所(現 京都府農林水産技術センター)の資料を参考にします。
これから計算すると
10号鉢(直径30cm)で牛糞700gと鶏糞70g
8号鉢(直径24cm)で牛糞560gと鶏糞56g
5号鉢(直径15cm)で牛糞350gと鶏糞35g
鶏糞は牛糞の1/10ですね。
また肥料を上げるタイミングですが、
同資料によると41日目がもっともアンモニア態窒素が高まるので、育成時と合わせます。
園芸情報については一番のNHK趣味の園芸によれば3月と5月なので、はじめの3月に合わせて41日前(おおよそ2月、4月)に施すようにします。
そうはいいつつも、しばらく肥料らしきものをあげていなかったので、8月にあげることにします。
様子は後ほど更新しますね。
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