前回は動かす道具の紹介でした。
今回は測る道具で、道具の善し悪しの出るもの、知られていなさそうな道具を紹介していきます。
おすすめDIY道具その2 【測る】道具編
スケール
他にはコムベックス、巻き尺、メジャーなどといいます。
どんな時に使うのか
寸法を測るのは必須ですから作業着に肌身離さずですね。
1mm幅の寸法線のさらに0.1mmを目測で読み取って使っていました。
時に正確さを出すときには「100返って読む」方法を使います。
先端の引掛け爪を使わずに、100mmのところを起点にして正確に当てて、1mmの線の間を目測で読み取ります。
読んだ数字を100引いて読み変えます。
例えば259.3mmだったら、100mmから読み始めているので、100mm引いて、159.3mmが正解です。
さらに100返っているのを忘れていない確認のため、通常通り爪を起点にして再度読み取るように使います。
また100mm刻み線などは太いので、時には5mmずらして1mm刻み線で読み直したりもします。
選び方
精度の高いJIS1級を選びます。
引き出した時にJISマークがついているのを確認しましょう。
引き出した時のロックがついて、長さは3~5mくらいあればよいでしょう。
テープ幅は太いと垂れないのですが、その分反り返って読み取りがしづらいので正確な作業には15mm幅くらいが使いやすいです。
ちょっと変わったものとしては壁で囲まれた内側寸法が測りやすいように、窓に目盛り付きのものがあります。
一見便利そうですが、精度が怖くて信用できずに誰一人として使っている人はいませんでした。
ベルトフックは便利ですね。
そうではありますが、自分は突起物はすべてなくして作業していたので、小ぶりなものをポケットにいれていました。
意外なこと
先端の爪が少し動きます。
これは意味があってで、爪を引掛けた時と、爪を当てた時に、爪の厚み分が動いて、正しい寸法になるようにできているのです。
なので落として爪が曲がると正しい寸法が出ないので、そんな時は矯正してあげましょう。
直角の出ている重量物に当てて金づちで叩いて直します。
爪が落としても曲がりにくくガードで覆われているものありますが、その分使いづらいのでお勧めしません。
これを使ったエピソード
スケールは消耗品で、使っていると爪の部分に負担がかかり、金属疲労で突然折れて、中に巻き取られて寿命になります。
それを引き出して、折って直線定規として割合と便利に使っていました。
しかも私の勤めていた木工所では「折れざし」という名前までついていたので歴史がありそうです。
狙いを定めて折るだけで、意外なほど正確に端が切れます。
五寸法師
70×150mmなので150mmの方で約5寸から。
一回り小さい3寸法師もあります。
どんな時に使うのか
スケールとともに身に着けておくと便利なものの一つ。
差し金と使い方は一緒ですが、長さを測ったり、直角線を引いたり。
あまりよくないのですが、時はスクレーパー代わりに使ったりもします。
ただし直角はあまり当てにならないので、正確なのはスコヤですね。
スコヤ
名前の由来は英語で四角の「スクエア」の音が変わって「スコヤ」になったそうです。
どんな時に使うのか
組み立てたものが直角かどうかを調べるときに、接着剤が硬化する前に必ず使います。
直角の内側も外側も分かります。
後で紹介するシラガキという線を引く刃物と一緒に使って直線を引いたり、丸のこなどの刃角度を変えた後など、盤に対して刃の角度を確認するのにもよく使います。
選び方
JIS1級が本当は欲しかったのですが、その時になく必要だったので仕方なく購入。
その後、刃の方をベルトサンダーで微調整して直角を正確に出した記憶があります。
なので皆さんはそんなことはせずに、JIS1級を買いましょう。
また台の付いていない平面のものもありますが、私が仕事をする木工所や現場でどの業者も誰も使っていません。
台とサオの部分の段がついているのが、面に当てやすくできているからですね。
差し金だと多少自重でそるのと、必要なら傾けますが、正確な兼場(直角の精度)を見るのは台付きスコヤです。
もちろん製品自体を否定するわけではありません。
どこかの必要とする業種で求められているはずですから。
コンビネーションスコヤは買ってはいけません。
さまざまな場面に便利に使えるという触れ込みで、信頼している道具屋でおすすめされて買ったのですが、精度が全くダメで一回も使わずに捨てました。
これでJIS1級の精度がでたら、ヒット商品になるのかもしれません。
道具は2つ以上の機能を持たせていくと、その分使いくくなっていく。
これを使ったエピソード
よく乾燥させた木でも作ることがあり、スコヤの入らないところは小さなものを使います。
数十センチなどの大型のものも使われていました。
ちなみにこういったものは定規といいます。
日常生活で使われる定規とはイメージがだいぶ違うのですが、木工で言う定規は幅が広く、ただのまっすぐな木の棒でも、まっすぐ度合いが他のモノの精度を確かめるほど正確なら定規と言います。
ノギス
どんな時に使うのか
0.05mmの精度で外径、内径、深さ、段差が測れます。
工作機械での作業だと削った板厚を測るのに主に使っていましたが、DIY用途だと測りにくい円柱の外径や、穴の内径が主な使い道ですね。
とても精度が求められるものなので、必ずメーカー品を使います。
初めて使ったときは何もセンサーや電気を使わずに1/20の精度が目で見てわかる仕組みに感動したものです。
まったく誰が考え出したのでしょうか。
ミツトヨのノギスは海外からもレビューがあります。
留定規/自由定規
どんな時に使うのか
角度の言い方ですが、45度は留、90度は兼といいます。
そして兼の定規はスコヤといいましたね。
なぜここで英語になるかは不思議ですが。
ちなみに45度以外の斜めを、流れ留という言い方もします。
留定規と兼定規が合わさった兼用がありますが、結局は使いづらいし、対応できない場面もあるので、別々にそろえます。
好きな角度で固定できる自由定規もあります。
どれも内側外側両方当てて測ったり、線を引くガイドとなります。
使わないときは直線状にして、使う時に引き出して使います。
動く部分は360度。
さらにスライドもするのでまさに自由に動きます。
角度は測れませんが、角度を図面や、実物から生け捕ったりするので、意外と目盛りは必要ありません。
分度器にアームがついたシンワのものも持っていますが、ほぼ使いません。
画面左に見えるつまみを回すときつく固定ができるのですが、現在はつまみのないタイプしか見つけられませんでした。
代わりに目盛りがついていますね。
折れ尺
オレンジ色がレトロな感じでステキですね。
どんな時に使うのか
本来の計測ではなく、厚みを生かして扉を扉枠につける(扉のつり込み)用に使います。
つまりパッキンですね。
さらにいうと扉と床の隙間を作るために、床に3枚分にして置き、その上に扉を置いて高さを上げた状態で扉枠に固定するために使います。
意外なこと
一度も測定用として使ったことはありません。
実際の本来の目的使っている人は90度曲がるので使いやすいとかで需要があるようですね。
次は【印】をつける道具編です。
正確な加工は正確な印がなくてはできません。
線を引くシラガキ、幅を出すケヒキ、穴をずれないように開ける4つの道具を紹介します。
おすすめの記事
何かを作る直すが好きな方に。
開きづらい襖(ふすま)も、自分で直せます。
電動ドライバーがあれば、【できること】の幅が広がります。
やっかいなコード根元の断線を、結束バンドで再発防止の修理方法!
扉が動きにくくなっていませんか? 襖より簡単に直せます。
チャックが直せると買い直さなくても大丈夫。
古い原付はいじりがいがあります。
コメント