燃料調整額をわかりやすく解説し今後を見通す!

電気料金の燃料調整費住まい

電気料金が高い

エネルギー価格は「燃料調整額」で上乗せなんです

なんだか難しい言葉ね

この先どうなるのかな?

こんな悩みを解決します。

電気料金が高くなった原因の「燃料調整額」。
この仕組みと、電力会社の違い、世界銀行が公表しているエネルギー価格をもとに独自に集計。
グラフ化で今後の電力価格を見通します。

結果として安い電力会社が分かるので、少しでも電気料金を安くしたいと思っている方にぜひ参考にしていただきたい内容です。

家具内装/造作を経て、現在は住宅設備販売。
住まいに携わって25年。
住環境の「快適さ」を考えるコハタハルキが執筆します。




分かりづらい危ない燃料調整額が落とし穴

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燃料調整額とは

電気料金の上乗せ

これは基本料金と従量料金に上乗せする金額。
電気を作るための燃料がいつもより高いと、よけいに払わなくてはいけない仕組み。

燃料調整費の特徴は?
  • エネルギー価格で変動
  • 使用量によって増減


2021年までは割引として作用していたのですが、2022年には逆転して払わなくてはいけない状態です。
そして残念ながら今後は確実に上がっています。

理由は世界的に高くなっているエネルギーで電気を作るため。
これは飛行機で言うところの「燃油サーチャージ」と同じ。
原油や石炭、液化天然ガスLGPのなどのエネルギー価格に連動します。



そして電気を使えば使うほど負担が大きくなります。

 例えば4円(単価)× 使った分 = 合計

なので電気をたくさん使う、暑い、寒い季節。
特に寒い季節は、冷房より暖房により電力を使うので、電気代が高くなります。


そして注意すべきは、電力会社で違う燃料調整額。
どこに気を付けなければいけないのかを見ていきます。

マジ大事!




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危険な電力会社で違う燃料調整費のワナ

燃料調整費が自由

従量料金や、基本料金に隠れてしまいがちな落とし穴


東京電力や関西電力のような旧一般電気事業者は、3カ月のエネルギー価格の平均をその3カ月後に反映させる方法をとっています。
そしてほとんどの新電力は、エリア内の旧一般電気事業者と同じ燃料調整費を採用しています。

そこで問題なのが、旧一般電気事業者と連動しない、自社判断の燃料調整費を設定している電力会社。
例えばヱビス電力では2022年4月の料金表は最大55.84円の驚異的な調整額になっています。
ざっくり電気代が3倍になるといえば分かりやすいですね。

ヱビス電力は危険

燃料調整額が驚異的なため計算したところ、最も燃料調整額が高い中国電力管内だと年間で42000円高くなり、割合だと33%も割高になります。
平成26年度東京都家庭のエネルギー消費動向実態調査報告書から、戸建てと集合住宅の4人世帯の平均年使用量4500kwhを元に、わが家での一年の使用ばらつきで比例割り当て計算による)

ヱビス電力のホームページでは、比較記事として中国電力より燃料調整額を含めない料金単価が5~7%オトクとしていますが、隠れた燃料調整額を含めると24~1400%も割高になります。

一刻も早い乗り換えが必要な電力会社の一つと言えます。




さて、知ってほしくない燃料調整額は、料金表示とは別に小さい字で「別にかかります」とほぼ100%書かれています。
旧一般電気事業者と連動しますと書かれている場合はまれで、リンクで詳細や、ニューストピックとして毎月pdfファイルでの公表などさまざまです。




上限なしの燃料調整額

まるで保険を掛けない自動車事故


東京電力や、関西電力などの旧一般電気事業者の従来プランは、燃料調整額が高くなりすぎたらセイフティーネットとして上限を設けています。


実際の例を見て確認します。

中国電力の燃料調整額上限例
中国電力 2022年3月燃料調整額pdfより

例えば中国電力は2022年3月で燃料調整額が上限を超えました。

そして黄色のマーカーの部分に注目。
~を超過したため、~上限価格に基づき
つまりセイフティーネットが働き、実際の上り幅より安く抑えられています。

ところがここからが重要です。
先に紹介したようにほとんどの新電力は、エリアの旧一般電気事業者(東京電力や関西電力など)と同じ燃料調整額を採用してはいるものの、上限に関しては連動しない電力会社があります。


つまり青天井、燃料が上がれば上がっただけ料金が増える恐ろしさ。


普段は旧一般電気事業者と連動しているから、まあ高くなってもみんな一緒だから仕方ない。
なんて思っていたら事故レベルの価格高騰で、突き落とされる可能性があります。

そんな上限なしの会社は
・楽天でんき
・エネワンでんき
Looopでんき
・Nuroでんき
・ミツウロコでんき
・ソフトバンク
・はなカメくんでんき(変わる可能性があると約款に明記されています。)
先に紹介した市場連動型のでんきプランの時の悲劇を思い出しますね。

燃料調整額が連動かどうかは探しにくいものの表示されている場合がほとんどですが、上限があるかないかまでは明記されていないのが通常なので厄介です。



先に紹介したグラフで2022年の9月から青い線が横に出ていますが、これは従来プランと新プランで燃料調整が分かれたところ。
従来プランは上限に達してこれ以上は上げられないのですが、新プランに契約している方はさらに上がっています。
2022年11月で従来プランの5.13円に対して、新プランの9.72円と約2倍の金額。

新電力は旧電力事業者と同等の調整額にしているところがありますが、この場合はどちらを取っているのか。

調べてみると新プランの上限なしに連動している電力会社ばかりで、セイフティーネットの働いている旧プランに連動している電力会社はありませんでした。




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エネルギー価格のいままでと今後の見通し

燃料調整額が原油価格で高騰

いまは下降トレンド
なので電気料金が安くなっていく


旧電力事業者(東京電力など)が公表している資料をもとにグラフ化すると

東京電力燃料調整額の推移

グラフを見てみると分かりやすいですね。

ずっと以前は、マイナス=値引き
2022年3月以降は逆に、プラス=払う
2023年7月以降はまた、マイナスへ


そして1月(2月の検針分)からは政府の電気代補助(激減緩和措置)で7円引きになり大幅に値下がりしています。
旧プランはそのままでも良さそうですが、こちらも同様に下がって、マイナスになっていますね。

ただこの措置も今年の9月(10月検針分)までです。



実際にいくら調整されるのか見てみましょう。
2021年1月は大幅値引きです。
グラフで底を打っているところ。

エルピオでんきの2021年の燃料調整費

単価当たり-5.2円引きで、冬で電気の使用量も多いため約3800円の大きな値引き額になっています。


2021年の11月直近では値引きはわずかです。

エルピオでんきの2021年11月の燃料調整費

値引きこそされていますが、わずか300円程度。


そして気になるのはこの先どうなるか?
電気を作るための原油、液化天然ガス、石炭の世界の卸売価格を見れば分かります。
これが燃料調整費になるのですから。

そしてこの3つの電源構成比は

電気を作る割合は?

44% 液化天然ガスLNG
25% 石炭
20% 原油
東京電力 「燃料費調整単価の算定方法」より




世界銀行の市場状況レポートより、それぞれの世界市場の指標となる価格をグラフ化してみます。


まずは電気を作るのに44%の影響がある液化天然ガスから

世界の液化天然ガスの推移

欧州は2022年の8月をピークに下落。
ウクライナ戦争はまだ継続しているものの、1月に欧州価格は日本の価格に並びました。

日本の価格は上昇トレンドであるものの、
欧州価格の下落を受けてか、グラフでは読み取れないものの日本の輸入価格も下落し、共同通信によれば3月分から値下げになっています。
共同通信都市ガス3社値下げ



次に25%の影響がある石炭

世界の石炭価格の推移

ちょっとこれは分かりづらいですね。
世界銀行のデータが失われていて、2022年2月~9月のオーストラリア、また2023年の1月の南アフリカの値がないためにグラフがおかしなことになっています。

それを補って見てみると、直近のオーストラリア価格の上昇トレンドに区切りが見られます。



最後に20%の影響がある原油

世界原油価格の推移

2022年の6月をピークに下落しています。

そしてもう一度燃料調整費のグラフ

グラフから分かるように電気を作るための原油、液化天然ガス、石炭のすべてが世界的に値上がりしていて、2022年はこの分が燃料調整費として価格に上乗せされていきます。

2022年の電力会社全体の電源構成比のトップは火力で78.9%で、その小内訳は
 液化天然ガス 37%
 石炭 32.7%
 石油 2%
環境エネルギー政策研究所2021年8月


原油を除いて液化天然ガスと石炭のグラフを燃料調整額と比較します。

石炭の青線はオーストラリアで数字がなかったもので信用できません。
別な情報源では440ドルなので、南アフリカの価格をさらに上回っています。

液化天然ガスと石炭の価格が燃料調整額に反映されるのは、タイムラグがあり産業省資源エネルギー庁の資料によれば、
 →エネルギー価格の3か月間の平均が、燃料調整費の2か月後に反映される
もっと簡単に見方を変えて言うと、
 →燃料調整費は4か月前のエネルギー価格をもとにしている



さらに今度は国内に目を向けて、日本の電力卸売価格の推移を見てみましょう。

全国のシステムプライスと約定量の推移

上のグラフは一般社団法人日本卸電力取引所が公開しているスポット市場の価格と取引量をまとめたもの。
青い折れ線グラフが価格、それと黄色の取引量。


そして注目すべき価格を表す青い折れ線グラフは安定しています。




もう一つ気になるのは為替です。

ドル円相場

為替は価格上昇の要素

為替レートも2023年の10月の150円の円安をピークに円高に向うと思いきや、円安方向に進んでいます。
つまり円の価値が下がってきているので、燃料の輸入にもっとお金が必要になってきます。



そして電力会社と政府の動き

電力各社の値上げ申請が全額ではないものの認められて値上げ

電気を作る要素で一番大きい液化天然ガスは、2022年の11月の底値で2023年の3月のガス料金の値下げになりました。
電気料金もこれを受けて下がる方向に向かいそうだったのに残念です。
→経済産業省 プレスリリース 電気料金値上げ承認






まとめると
電気料金を決める主とした液化天然ガスや石炭、原油は下落傾向
為替レートは反対の円安方向。

この2つの関係は、燃料価格の下落割合に対して、為替の価格の変動割合は小さいので
エネルギー価格の影響が強い。


電力会社の値上げ申請は通ってしまったものの、値上げ幅は圧縮。





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まとめ

ホッと一息まとめ

エネルギー価格の上昇で電気やガスも値上がり、さらに食品までも値上がりしています。
変更の手間はわずかです。
今の電力会社への解約手続きは、新しい電力会社がしてくれます。

せっかく思い立ったら、少しでも安い電力会社がオトクです。




無料で比較できるので、ぜひ他の方の意見も聞いてみましょう。




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